自在蝦夷肩広筬虫

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飛翔による繁栄

エゾカタビロオサムシ （Campalita chinense）はコウチュウ目. オサムシ科に属する昆虫で体長は２６～３４㎜、銅色～暗銅色で前翅に金色の点刻が3列ある大型のオサムシである。

和名は｢蝦夷｣、種小名は｢中国｣で、中国・韓国・小笠原諸島を除く日本各地に分布。多くの オサムシは後翅が退化し飛ぶことは出来ないが、この エゾカタビロオサムシは後翅が退化しておらず飛ぶことが出来る。 肩（かた）が横にはっているのが、和名の由来になっている。

成虫は初夏から秋季まで見られる。夜行性で、樹上で主に鱗翅目（ヨトウムシ）の幼虫を捕食するが、平地の河原でもよく見かける。

灯火に飛んでくることも多く、そこで同じく飛来した蛾などの昆虫を食べることもある。

他のオサムシと違い翅を退化させなかったことにより大きな分布域を確保することに成功した昆虫であり、樹上での生活も翅があって故の成果だと考えられる。

本作品では、胴、胸、頭の関節と各脚、大顎が可動する。体色は硫化で本種の特徴である金色の点刻は硫化の後に硫化部分を剥がし銅の地金の色を出すことで表現した。

本作品を見て「マニアックだね」というコメントを多々頂くが、昆虫愛好家の間ではいたって普通種であり、『その分野に精通している・精通していないの違いによる、一般的・非一般的』の定義について考えさせられた作品である。